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ボードゲーム「タージマハル」 競りと手札と、損切りのうまさが大事

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手札を使い、自分の出した色に縛られながら描かれた絵柄ごとの競りを行う。

手札上限、出せる色制限、そして手札補充に限度がある環境の中である絵柄を1番多く出している場合、競りを降りることでその効果を得ることができる。
人とバッティングしないように、できるだけ多くの絵柄で1位を取り、かつ手札はできるだけ使いたくないという都合の良さを祈りつつなかなかそうはいかないもどかしさ。どこで突っ張り、どこでしゃがみ、競りでどの絵柄を優先するのか。

序盤、ままならなさの中でなんとか多くの要望を通したい。

中盤、人の戦法や毎回使える特殊カードの配分、残りの手札とボード上のネットワークを眺める。そこからの作戦を練り直す。

終盤、手札の1番多い色のカード枚数がボーナス点となるので、手札のマネジメントも睨みつつ、少しでも多くの点数を得、勝ってる人の得点源を潰すためにまたうなる。


この妙味が1時間で終わる。

いいクニツィアだった。
クニツィアはラーと続いてこれが私にスマッシュヒットしたため、やはりすごい人だなと感じた。

クニツィアのゲームは常々指摘されるようにテーマと関連性が薄い。
しかも、好みではあるが見た目にあまりそそられるのがない。

タージマハルは箱絵とボードや絵は正直地味だが、コマがチョコレートのようなおいしそうな色をしていて、そこが気に入った。


クニツィアの小箱カードゲーム系は単なる数字比べが多く似たり寄ったりなイメージだったが、大箱は非常に鋭い出来で、苦しさと楽しさが同居している。

時間とルールがちょうどいいバランスでできていて、無駄がない。
これぞ、いいドイツゲームと言えるのではないだろうか。

調べると、クニツィアが良いゲームを量産していた時期があり今後もその辺りを攻めていきたい。
とりあえず、「砂漠を越えて」「ジェネシス」は入手済みなのでまた良作であれば記事化すると思う。


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by phys-can-tell | 2014-09-21 23:59 | ボードゲーム

ボードゲーム「銀杏都市」 徐々にルールの霧が晴れてゆく感覚

トロワやブリュッセル1893を出しているパールゲームズの1作。

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ここは美しいルールとコンポーネントでけっこうお気に入りのメーカーである。

ドラフトして得たカードを資源を得るために使ったり、タイルを配置しその上でコマを置いて陣取りするために使う。
配置するタイルは横に伸ばしていくこともあるが、上に重ねるとそのカードがもらえ、新たな能力が身につく。
だいたいは資源をもらう際にもう1個とか、タイルが1枚もらえるとかの能力だが、終盤になってくると点数化するものを取りたくなる。

ドラフトするたびにカードを1枚引き、山札が尽きると新たに加わったタイルのカードが捨て札とシャッフルされて利用可能となる。
全体でも拡大再生産しているわけである。

盤面では、3色に色分けされたマップができつつあり、同色のエリア内でマジョリティを競う。
高層の方がたくさんコマを置けるし、コストを払えばタイルの色替えもできる。


カードをプレイすることで資源が手に入り、次の行動を効率的にするのための能力が身につき、陣取りにコマを送り込むことができる。
1手が複数の意味を持つ点で、この会社らしさがある。


だが、最初はトロワなどと比べて非常にぼんやりしている印象を受けた。

ドラフトという行為で回ってくる4枚のカードがそのまま選択肢となりできることとなるが、まわってきたカードを使って拡大再生産するのだという意識がないと、漠然と選んで出す、資源が足りないから資源化する、手元にあるタイルを使うためにプレイするくらいの手なりになりやすい。
ドラフトした結果が出たと実感するまでに2クッションくらい挟まっているイメージである。


しかし、終わってみると確かにこのドラフト形式を採用することでプレイヤーが作る思惑の集合が全体の流れを絞っているのだなと感じることが出来た。
誰かがタイルを建築することで新たなカードがドラフト対象になり、終了条件も近づく。
いつの間にか出来ていくエリアでは、自分が確保したい場所が生じてくる。

終盤で気がつくが、4択の中でうまく資源やタイルを集め、1手の効率を上げつつ得点をいつ狙うか、終盤のエリアでの優勢をどう噛み合わせていくかを考えることが勝利につながるゲームである。

こう書くとよくある感じに思えるし、実際客観的に眺めるとそうなのであるがただ、直接成長している感覚が分かりにくいところがオーソドックスなゲームとは違う。
そこがこのゲームの特徴であり、じんわりとやりたいことが染みこんでくるような印象を与える。


繰り返しとなるが、初回が終わるまで何をやるべきかわかりにくい。
ルール自体は1度やればわかるし、もっといろいろできたのではとリプレイ欲も湧く。
必ず2回連続でやって、1回目でなんとなくわかったやるべきことを踏まえ、何を目指すか考えながらプレイできると楽しめるのではと思う。


拡張の「専門家たち」もそのうち出るそうなので加えてプレイしてみたい。


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by phys-can-tell | 2014-09-12 00:05 | ボードゲーム

ボードゲーム「サンタ・クルーズ」 ドイツゲーな前半、ガチな後半

ゲーム会にてプレイさせてもらった。

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言語依存がなく、ルールも簡単で1時間以内に終わるユーロゲームだけど、戦略性があって気に入った。

前後半の2ラウンドに分かれており、前半に掴んだ情報とプレイ感覚を頼りに後半をこなしていく。


前半はマップの資源チップが裏向きになっている。
そこにコマ配置カードをプレイし、対応する地形の資源チップをめくって自コマを配置していく。

コマ配置カードの代わりに得点計算カードをプレイすることもできる。
点数は自分だけでなく、例えば金資源の上にコマをおいている人は8点、みたいに該当する人全員に得点が入るため、いつ得点計算を発生されれば自分だけが得するかを考える。
早めにコマを置いて自分の得点カードに当てはまるところに速攻でコマを配置すると、確かに自分に点数は入るがあからさますぎて便乗が出やすくなる。
しかも、得点カードをプレイするということはコマ配置をしないということで、その分他者より盤上のコマ数が減り、他の人の得点計算の際に点がもらえる機会が減ってしまう。
前半ラウンドはいつ拡大するか得点するかというジレンマに、めくり運を組み合わせたわりとよくある感じのゲームである。

自分が面白いと思ったのは後半ラウンド。
前半が終わると手札のコマ配置カード、得点カードをセットにして置く。
コマ配置カードは実は皆違い、川地形に置くカードが多かったり海が強かったりバランス型だったりする。
得点カードとそれに対応する資源チップのある地形(前半ラウンドでほぼめくられ配置がわかっている)に置きやすいコマ配置カードのセットはなかなかに有利である。

このセットを負けてる順に取っていく。
そして山札から1枚、得点カードを引いて加え1枚得点カードを抜くことで後半ラウンド用のセットができる。
互いに大体の得点方法がわかっているのと同時に自分だけの情報もまた少し増えるわけである。
得点カードは半分が前半ラウンドに登場し、4分の1を加える。
そこから取捨選択されるので、登場しないのも現れ、どの得点カードが加えられても大丈夫なように保険をかける、確率的に有利なところを重点的に配置するなど作戦を考える。

後半ラウンドはマップの配置をにらみ、できるだけ前半で得点となった地形にコマを置く。
他者が持っているであろう新たな得点カードを予想しながら置く必要があるので、他プレイヤーの配置からできるだけ特典カードのヒントを得ようとする。
そして後半ラウンドでも、コマを置きつつ自分のカードでいつ得点を発生させるかのタイミングを見計らうのがジレンマたっぷりである。


前半は火山にコマをたくさん置いて点数計算を無事発生できたと思ったら、噴火カードを使われ最下位。
後半では自分が絡めないカードを持っているセットを選び、それを捨てて、前半に見た海の周りにあるコマ分点数、川にあるコマ分点数を意識して配置。1手間に合わず金から得点はもらえなかったものの、多くの得点カードにて点数をあげることが出来、逆転して1位であった。


前後半で内容が変わるゲームがそもそも好きである。
前半に求められる行動と後半の行動が違うので、後半をにらみつつ前半をプレイする感覚がいい。

サンタ・クルーズはやっていることはラウンドが変わっても同じである。
しかし、情報戦という意味で明らかになった前半の資源配置やカード配分をどう活かすかを考えるのが面白く、またうまくいったので爽快であった。

自分の選択と思考が結果に明らかに出るタイプのユーロゲームで、ゲーマーにも初心者にも薦められると思う。


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by phys-can-tell | 2014-09-09 21:42 | ボードゲーム

ボードゲーム「ビール侯爵」勝てば自分が賢かった、負けると自分がバカだったと素直になれるゲーム

お金がないが城には住みたい地方侯爵が、領内にあるビール醸造所を見て、特産品で儲けようとひらめき、実行に移す感じのフレーバー。箱絵がダサかっこいいと思う。

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写真はボードゲームギークより。
http://boardgamegeek.com/boardgame/84469/furstenfeld

ゲームとしてはデッキマネジメントを主軸とし、作者のフリーゼが得意とする手番順と市場原理を絡めて仕上げられたものとなっている。

デッキの部分は、手札を引いて使い、1枚残して他を好きな順序でデッキの底に戻すシステム。
数ターン後に回ってくる手札をある程度コントロールすることができる。

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6枚しか置けない盤面に、リソース、圧縮、値下げ、手札増加、手番順操作などどれを配置していくのか。
値上がりする城をいつ建築するのがベストなのか。

建築しても勝利条件にしかならない城カードの存在により、いつ拡大再生産に満足して勝利点を加えていくのかというジレンマとお互い牽制しあう読み合いのあるゲームを作り上げている。ぶっちゃけドミニオンっぽい。

ドミニオンと違い、サプライの取り合いや直接的なアタックがない分少しソロプレイ感があるが、そこを市場と手番でまとめた手腕が見事である。


ボードゲームおっぱいでも述べられていたが、「俺のバカ!」という気持ちに自然となれる点が面白い。
つまり、未来の自分の欲しそうなカードを順序を考えてデッキの底に並べていくのであるが、再び巡りあった時の盤面と資産、状況にそれがうまく適合することはなかなかない。
特に終盤、十分なお金がありいつでも勝てる状況なのに城カードがなかなか引けないときなど、数ターン前の自分は何をやっていたのか、となる。

デッキの並び順という不確定要素は前半は確かにランダムだが、終盤はプレイヤー自身の責任であると持っていったところが新鮮であった。
これもある意味、ゆるやかに前半後半にわかれているゲームといえるかもしれない。


ボードゲームにおいて勝つ、というのはいくつかのパターンがあるが、運に左右されすぎるのはあまり好みでない。
天命を尽くして、最後に2択の賭けをする、程度なら勝っても負けても面白いと感じる。
一方、主な勝因がダイス運だと申し訳なくなるし、それで負けると長時間ゲームであるほど釈然としない。


個人的に結果論と呼んでいる勝因のパターンがある。
これは例えば、ラウンドごとにカードをめくりその効果が全体に適用される、購入可能になる感じのゲームにありがちである。
運要素の一種だがダイレクトに効くのではなく、その効力に対してその時点で一番適応できている人に恩恵があったり、そうでない人にマイナス要素を与えるものである。

その効果がどれほど強力かや、あらかじめどのような内容になるか(3択とか)備えておけば大丈夫なものもあるので一口にまとめるのも乱暴であるけれどもとにかく、ゲームが終わった時に各ラウンドの状況に対して最も有利な盤面で臨め続けた人が勝ったなと振返れるものは、そりゃ結果的にああしてればその後のラウンドでうまくまわったけどさぁ、ともやもやする。

決め打ちの作戦が結果的に一番マッチしたから勝てたのではないかと疑問が残るゲームである。
単純にやり込み前提で、知らなかったから対策しなかった出来なかったということもあるが、全員がはじめてだったりしてそれが起こると、すごく複雑な運ゲーなのではと思ってしまう。


ビール侯爵では、カードが求めるタイミングで来ると非常に有利であり、結果論的な勝因になりうる。
逆もしかりで、欲しいものがなかなか来ないと終盤では致命的である。
が、それは過去の自分がそうデッキを仕込んだからと原因を自分に帰結することができ、なんとなく納得できる、納得しやすいのがいい。
結局は自分の選択というランダマイザなので結果論的に捉えることもできるが、少なくとも勝てば自分のマネジメントのおかげ、負ければマネジメントが悪かったせいだと素直に受け入れることはできる。


フリーゼの似たようなゲームでは電力会社が陣取り+市場+手番順+競り、ファクトリーマネージャーが市場+手番順となっていて、このビール侯爵も一連の流れにあるのだろう。

中核要素に共通してる部分が多いので、近い時間内にこれらをやるとまたか、という感覚になる。
今作は他者との絡みが比較的マイルドで、誰が早く上がるかというレースゲーム的な側面が強い。

選ぶときは確かなゲーマーズゲームをやりたいときは電力会社、比較的短時間でジレンマ密度の濃さを噛みしめるときはファクトリーマネージャー、フレーバーも楽しめそこまでガチガチなのは避けたいときにはビール侯爵をやればいいと思う。
終わったあと、俺は水侯爵だったとかそんな風に盛り上がることもできるだろう。


ちなみに上級ルールでは、デッキの底3分の1をあらかじめ並べて開始し、城から収入が入るカードやデッキからいらないカードを取り除く、いわゆる圧縮ができるカードが入る。
底の10枚から残りの20枚を考え、どのプレイングでいけば一番効率のよいかを模索するゲームとなり、全カードを知っている状態からのやりこみにも十分耐えそうな構成となっている。

あちこちで安くてに入りやすいので、一度プレイしてもらうといいのではないか。



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by phys-can-tell | 2014-09-08 19:00 | ボードゲーム