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マジックザギャザリングを始めてみた

マジックザギャザリング(MTG)という、世界で一番売れているトレーディングカードゲーム(TCG)がある。
存在は知っていたが、TCGはとにかくお金がかかるというイメージがあり、買い切りのボードゲームの素晴らしさに及ばないと思ってさほど興味なく過ごしてきた。

ところが、ボードゲームの友人が異様にハマりだし、ボードゲームをやめかねないくらいだった。
奇しくも、当時出ていたエキスパンション(カードのパック種類)がストリクスヘイブンという魔法学園ものだった。
これがハリーポッター好きの我が家にマッチするのではないかと思った。
また、次に出るエキスパンションはTRPGのD&Dテーマとなることがわかっており、これはまさしくボードゲーム要素である。
自分にMTGを始めるようにと言わんばかりの流れに身を任せ、友人に教えを請うことにした。

ちなみに私のTCG経験は、小学生のときに遊戯王を多少遊び、MTGは大学のときに体験デッキをお互い初めての友人と遊んでこんなもんかと流した程度である。
デジタルTCGのハースストーンは比較的長く遊んでいたし、ドミニオンもオンラインでかなりやりこみ、自分のベストゲームの一つとして胸に輝いている。
MTGに対しては、高額カードが取り沙汰されたり、デッキ1つで100万円を超えることもザラであったりなど主に金銭的に悪い思い込があった。


さて、友人にルールの説明をしてもらう。
土地からカードコストのマナが出て、その色が大事くらいは知っていたが、効果の累積と解決順番(スタック)周りがややこしく感じた。今でも自分一人ではちゃんと出来ているか怪しい。
さらに、カードを出したターンにできることと出来ないことなど、抑えるべきツボはまず教わることが出来たのはインスト慣れしているボードゲーマーの友人のスキルによるものが大きい。

そしていよいよ、対戦となる。
まず渡されたのが、公式から構築済みデッキとして出ている「赤単アグロ」と「緑単ストンピィ」。
中身を見ずにシャッフルして初めたら、まず、見たことのないフォーマットの見た目のカードに驚かされた。

・両面にカードが印刷されていて、使うときにどちらで使うか選ぶカード
(これ用に背面が普通のカードで裏表のカード名を書いておくだけの記入用カードがある)
・効果欄が縦に半分になっていて、どちらか選べる上になんなら左の効果を使用した後のターンで右の効果で唱えられるカード

カードゲームの見た目の形式というのは決まっていると思い込んでいただけに、上記は衝撃的だった。

また、その効果の強烈さにも驚いた。
例えば下記のカードである。

《熱烈な勇者》
クリーチャー ― - 人間・騎士
パワー:1/スタミナ:1
先制攻撃、速攻
熱烈な勇者が攻撃するたび、あなたがコントロールしていて攻撃している他の騎士1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+1/+0の修整を受ける。
あなたが熱烈な勇者を対象として装備能力を起動するためのコストは3少なくなる。

これだけの特殊効果が山盛りついたカードが、たったのコスト1マナである。
正直、頭がおかしいと思った。
MTGに影響を強く受けているハースストーンの知識では、コスト1のクリーチャーにこんなに+能力がつくなんてありえない。

カードをめくるたびに、え、これ強すぎない?と思うようなカードばかりで呆れるような驚きばかりだったことを覚えている。

そこから2ヶ月たってある程度慣れた今見てもやっぱりぶっ飛んでいるカード群だが、これは一線に立てるようなデッキを販売するというコンセプトの商品だったため強いことも納得できないことはないと思う。
注意してほしいのは、上記リンクからカードリスト及びマウスオーバーでカードの詳細を見ることができるが、カードタイプ(クリーチャーとかソーサリーとか)の横にあるカードエキスパンションのシンボルがたいてい金色かオレンジなことである。
これは通常のパック(ドラフトブースター)からは1パック1枚しか出ないレアや神話レアというレアリティのカードである。
後述するが、MTGではレアリティによる強さの強弱が、マナコストによる強弱を上回ることが大概であることが多い。
そのため、レアや神話レアが複数枚入ったこれらのデッキが強いのは、そうあるべくしてそうなっているところもある。
また、エルドレインの王権というエキスパンションのカード群が多く採用されており、このエキスパンションは強カードが多いことに定評があるため必然的にデッキパワーも高くなっている。上記の熱烈な勇者や縦半分カードもエルドレイン産だった。


構築済みデッキによる強烈な先制パンチにより、もしかしてMTGは超インフレしているカードゲームなのではと思ったところで、次に渡されたのはストリクスヘイブンのドラフトブースターである。
ドラフトブースターというのは、15枚からなる約400円のMTGで一番普通のタイプのカード販売パックである。
1パックは通常レア1枚とそれに次ぐランクのアンコモン3枚、普通のカードであるコモン11or12枚、土地0or1枚から構成されている。
このドラフトブースターというパックはその名前の通り、ドラフトして遊ぶことができるように設計されている。
開けてカードを集めてデッキを作ってから勝負でなく、パックを開けて順に回して1枚ずつ取って即席のデッキを作り、対戦するという遊び方である。
今回は2人だったので、ワンパックシールドという遊び方を行った。
これは、1パックを開けて見ずに土地10枚と混ぜ、土地をワイルド色扱いとしてライフ10点で対戦を行う遊びである。
パックの中に何が入っているかわからないドキドキと、すべてのカードを使えるのでなかなか見られない組み合わせでプレイできるのが楽しい。
ここで、2マナ2/3能力なしというクリーチャーを引いて、MTGすべてがぶっ壊れている強カードの塊で構成されていないことがわかり却って安心した。
この遊び方は、1パック開けるだけで遊べるというところに新しさ感じさせられた。
パックというのはカードを買う手段だけでなく、それ1セットで遊べるようになっているのかという新鮮な気づきである。

さらに、ブースターブリッツという1パックを5つに分けて5回戦を行う遊び方や、6パック分を混ぜて山にしてウィンチェスタードラフトを行い、デッキを作って戦う遊び方などで遊ばせてもらった。
デッキを作って持ち寄るだけではなく、パックの構成レアリティを揃えることでそのパックを使った遊び方(リミテッド)があるということには結構感動し、MTGは自らお金をかけなくても楽しめる遊び方を提案しているんだと思えた。(都度パックを買う必要があるので別にタダではないが、社会人にとって負担になるほどではないし、なんならカードを再利用してドラフトの山を作る遊び方もある。)


そんなこんなで、MTGの可能性を見いださせられたため、ここしばらくD&Dのブースタードラフトの箱を買って奥さんと上記遊び方で楽しんだり、オンラインで遊べるMTGアリーナというので遊んだりしている。
現時点での気づきを下記に列挙して一旦〆とする。


・ハースストーンやドミニオンに出てきた、カードゲーム用語はMTG由来が多い

・リミテッドというドラフトや一定数のパックを開けてその場でデッキを組む遊び方は、ボードゲーム風味があって面白い。
2000円あれば1日遊べる。

・ドラフトブースターから出るカード(主にコモン)のその後の使い道がない。構築用途ならセットブースターのほうがいいかも。

・デッキを構築する場合は結局レアや神話レアをまとまったカード揃える必要があり、ドラフトブースターを1箱買ったとしてもデッキを作って持ち寄る構築戦に使えるカードは集まらず、それ以上にお金をかけなければならない。

・とはいえ強いレアや神話レアを引くと大いに嬉しく、射幸心を煽られる。

・上位互換のカードが存在するのがデザインとして美しくない

・MTGアリーナはそこそこ戦えるデッキをわりとたくさんくれたり、レアを作成できたりするので紙で遊ぶよりお金はかからないかも

・現時点ではボードゲーム的に4人でワイワイ言いながらドラフトして総当たり戦するのが一番楽しく思う。

by phys-can-tell | 2021-08-15 22:46 | MTG
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