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ボードゲーム「倉庫の街」僕はこんなゲームがしたくてこの趣味にハマったんだった。

フェルドというボードゲームのデザイナーがいる。今勢いのある人で、この人とローゼンベルグは2大ゲーマーズデザイナーと言えよう。
代表作はブルゴーニュ、トラヤヌス。最近ではアクアスフィアをリリースして人気を博している。

私はフェルドに苦手意識があった。
先に挙げたゲームはどれも、90分以上かかるゲーマーズゲームである。共通点として、拡大再生産している感覚が薄いことがあると感じる。このくらい時間のかかるゲームではたいてい、最後にはできることが何倍にも増えていく。最初は食料供給などの課題をこなすことが精一杯だった状態が、徐々に発展してリソースが生まれ能力を身に付け楽になる。そして終盤にその余力を得点行動に移すパターンが多い。

ブルゴーニュやトラヤヌス、アクアスフィアなどは成長直線の比例定数が小さい。一応少し資源が増えたりするが、ブルゴーニュの労働者や銀などすぐ使いきってしまう量である。これらの作品では、勝利点そのものを主眼に据えている。序盤から勝利点が入り、ある種類のタイルを集めると点数が増えるなどのボーナスタイルも初期から取ることができる。初期から終盤を見越して手をうつ必要がある。
私がこれらのゲームを苦手とするのは、最初と最後が等価に近いところだと思う。セットコレクションで、残りの1ピースがはじめの方に出て流れていってしまい後からではどうしても揃わないパターンが特に悔しい。また、最後の最後でダイスが振るわなかったりして一番大事な一手が取れなかったりすることもある。飛車と角どちらも欲しいが片方しか取れないというジレンマとは別の苦しさがある。


倉庫の街は名前は知っていた。が、フェルドということで敬遠していた。

やってみると、確かに拡大再生産はない。カードを競りで取っていくだけである。しかし、カードを取っていくにつれてどうしても欲しいカードやできるだけあのプレイヤーに渡しては行けないカードが出てくる。それを、限られた資金の中で一番うまく手に入れられた人が勝つようなゲームであった。ここに、自分の好きな要素「途中で自然とやりたいことにバイアスがかかる」がある。
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運要素もある。手番順が先のほうが不利であり、そのラウンドにめくられるカードに勝敗が左右されることもある。だが、本当に必要なカードは大金をはたけば入手でき、ここぞという時は必要になるときもある。こういう勝負どころで一大決心をするのが好きだ。カードの出方も、大きく四分割された中から順に場に現れるため、心地よいランダム性、それに伴うリプレイ欲が生まれる。

何よりも、この満足感が1時間以内に終わるのがよい。最近ボードゲームにあまり親しみのない人とやる機会が多くなったが、一度目ではよくわかってない感じだった人も、もう一度やると勘所を掴んでいい勝負になることも多い。やはりゲームは繰り返し遊ぶことで皆が楽しめる様になるのではと思う。面白いボドゲに限るが。

思い返すと、私はこういうボードゲームがやりたくていろいろ買い集めたり出かけたりしているのだと思う。重ければ重いほどシュミレーションとして考える要素が増えてよいと考えていた昨今であったけれども、それは倉庫の街のような密度感のあるゲームにしばらく触れていなかったからではと思わざるをえない。

思考と適度な運のバランスが絶妙なこのゲームは、間違いなく傑作であった。今年に新たにプレイしたゲームの中では、圧倒的に一番面白い。自分にしては珍しく、何度プレイしてもまたやりたくなる。



ちなみに拡張は言語依存が増える。少し野暮ったくなったが先手損を減らし勝ち筋を増やした調整がされているので、倉庫の街に慣れた人に薦めやすい、拡張という語彙に沿ったものとなっている。

付属の金属コインだけでも、倉庫の街の体験をよりリッチなものとしてくれるので是非手に入れて加えて欲しい。
(ドイツで買ってやったぜと思ったらその後日本で出回ったのはちょっと恥ずかしかった…)

by phys-can-tell | 2015-04-13 21:17 | ボードゲーム
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