日本人が作った、日本がテーマの1時間ユーロゲームである。
日本の和をよく表している点にすごく感心させられた。 ![]() 枯山水に詳しい作者が下地のコンポーネントを作ったと聞き、その点も素晴らしい。 カードだけの同人ゲームではなく、ボード、個人ボード、タイル、木のコマ、そして凝った作りの石のコンポーネント。 値段と生産性を捨ててでも、出版社と作者が枯山水のミニチュアがゲーム後に出来上がるのを重視した結果である。 これを、プレミア価格が付く前に定価で購入できたことはむしろよかった。 ![]() ルールがいい。 「徳」を貯める。 徳は枯山水を構成する石を入手するのに必要である。 また、不要なタイルを破棄するのにも最低限ないといけない。 徳を貯めるには、毎ターン座禅を組むというアクションを行い、1づつ貯めていく。 他に、自分の引いたタイルを人に譲ることで、徳を2得る事ができる。 ここがプレイするとよく出来ていると感じる。 普通こういうタイルを引いて配置するゲームでは、自手番で相手の必要なタイルを引いたら相手に利用されないようにするのがセオリーである。 ところが今作では、徳が2貯まるというのはかなり大きくむしろ人に積極的に譲りたい設計となっている。 徳に加え、タイル配置をする中で目指す形が固まってくると、継ぎ目のないきれいな庭を作るため引いても必要のないタイルが多くなる。 それを廃棄すると純粋に1手番損になるために、欲しいタイル以外は人に押し付けていきたいとなり、ここでも譲渡が発生しやすくなっている。 強奪という強制的に奪う方法もあるが奪う方の徳が減るため、ここぞという時以外はお互い得になるようにしたほうが良い。 ウィンウィンの関係になるように誘導されるため、半協力して気持よくプレイしてできる。 そしてゲームとして、完成した枯山水の美しさを競うという形になり芸術家が高め合っているような感覚になれる。。 日本の共生的な心構えの表現としてふさわしいと思う。 強弱が明らかにある人物カード。 一読してややこしいなと思った得点ルール。 これらは”美しくない”と感じさせられる。 実際にプレイしてみると、引き運というファクターに対しての人物カードの強さは同等程度に抑えられているように思えた。 得点ルールだがこれは、最初は説明しなくてもいいように感じた。 目的カードを達成するのが達成の一段階となり、その他の石の配置によるボーナスはオプション的に捉えられる。 初心者には基本ルールを説明した後、好きなように作ってみてくださいとすることもでき、逆にルールに縛られず感性が出るのでよいかもしれない。 サマリーが付いていることで、ゲーマーにはやりながら読んでくださいとりあえずやってみましょうと言う風にもできるし、丁寧に配置してインストしてもよい。 2回連続プレイが可能な1時間以内のゲームなので、むしろ1度目でうまく行かなかった点を踏まえもう一回!という声が出やすいように作っているようにも見受けられた。 そして、点数が高い庭はやはり”美しい”。 枯山水自体に詳しくなくてもこういうのが美しさとされているのだなと体感できる点は、知育というか新しい世界へ興味を抱かせるものになっている。 日本に住んでいるから、こんど近くの枯山水を見に行ってみるかとなることもあるだろう。 ゲームとしてもいい。 庭が出来上がるタイミングやゲーム終了時点での総アクション数と、得点に絡む石の置き方、僧の必要歩数、庭の目的カードの達成などギリギリになっている点が完成度が高い。 タイルの配置を優先し過ぎると最後の石が置けなくなってしまったり、他の人に手番を与えすぎて点数差ができるようになっている。 ほどほどのところで妥協することも必要となり、結果できる庭はどこかにほつれがあるものとなる。 そこをなんとかして、次こそは美しい庭を作るぞ、というリプレイ欲に繋がる。 全く違った庭ができより良い庭を作りたいということによる、違う戦術を試すことや場のカードの違いによる正着手の変化とはまた別のリプレイ欲求喚起材ははじめて。 そして、1時間程度のプレイ時間と比較的シンプルな骨子ルールにより、それを可能とする。 東京ドイツボードゲーム賞というコンペを勝ち抜いた本作は、まさに日本発のドイツボードゲームといえるだろう。 ぜひ海外でも発売して、世界よこれが日本の精神だ、日本人の作ったゲームだと知らしめて欲しい。 ![]() 一番最初にプレイした時の庭。 上段に小大小と立石が並び、斜め配置ボーナスと船石、伏石ボーナスも得て継ぎ目もない。 なかなかに”美しい(≒点数の高い)”庭となった。 ![]() 家族とプレイした際の枯山水。 なかなか苔タイルが来ず、仕方なく円形を狙う。 3箇所程接続が悪いせいで勝てはしなかったが気に入っている。 ![]() 上記の際に母が作った庭。 弟と2人でタイルを譲渡し続けた結果、早く庭が完成し余った手番で石を沢山置かれた。 70点超えの高得点となった。もちろん1位。
by phys-can-tell
| 2015-01-05 18:56
| ボードゲーム
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