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ボードゲーム「銀杏都市」 徐々にルールの霧が晴れてゆく感覚

トロワやブリュッセル1893を出しているパールゲームズの1作。

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ここは美しいルールとコンポーネントでけっこうお気に入りのメーカーである。

ドラフトして得たカードを資源を得るために使ったり、タイルを配置しその上でコマを置いて陣取りするために使う。
配置するタイルは横に伸ばしていくこともあるが、上に重ねるとそのカードがもらえ、新たな能力が身につく。
だいたいは資源をもらう際にもう1個とか、タイルが1枚もらえるとかの能力だが、終盤になってくると点数化するものを取りたくなる。

ドラフトするたびにカードを1枚引き、山札が尽きると新たに加わったタイルのカードが捨て札とシャッフルされて利用可能となる。
全体でも拡大再生産しているわけである。

盤面では、3色に色分けされたマップができつつあり、同色のエリア内でマジョリティを競う。
高層の方がたくさんコマを置けるし、コストを払えばタイルの色替えもできる。


カードをプレイすることで資源が手に入り、次の行動を効率的にするのための能力が身につき、陣取りにコマを送り込むことができる。
1手が複数の意味を持つ点で、この会社らしさがある。


だが、最初はトロワなどと比べて非常にぼんやりしている印象を受けた。

ドラフトという行為で回ってくる4枚のカードがそのまま選択肢となりできることとなるが、まわってきたカードを使って拡大再生産するのだという意識がないと、漠然と選んで出す、資源が足りないから資源化する、手元にあるタイルを使うためにプレイするくらいの手なりになりやすい。
ドラフトした結果が出たと実感するまでに2クッションくらい挟まっているイメージである。


しかし、終わってみると確かにこのドラフト形式を採用することでプレイヤーが作る思惑の集合が全体の流れを絞っているのだなと感じることが出来た。
誰かがタイルを建築することで新たなカードがドラフト対象になり、終了条件も近づく。
いつの間にか出来ていくエリアでは、自分が確保したい場所が生じてくる。

終盤で気がつくが、4択の中でうまく資源やタイルを集め、1手の効率を上げつつ得点をいつ狙うか、終盤のエリアでの優勢をどう噛み合わせていくかを考えることが勝利につながるゲームである。

こう書くとよくある感じに思えるし、実際客観的に眺めるとそうなのであるがただ、直接成長している感覚が分かりにくいところがオーソドックスなゲームとは違う。
そこがこのゲームの特徴であり、じんわりとやりたいことが染みこんでくるような印象を与える。


繰り返しとなるが、初回が終わるまで何をやるべきかわかりにくい。
ルール自体は1度やればわかるし、もっといろいろできたのではとリプレイ欲も湧く。
必ず2回連続でやって、1回目でなんとなくわかったやるべきことを踏まえ、何を目指すか考えながらプレイできると楽しめるのではと思う。


拡張の「専門家たち」もそのうち出るそうなので加えてプレイしてみたい。


by phys-can-tell | 2014-09-12 00:05 | ボードゲーム
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