お金がないが城には住みたい地方侯爵が、領内にあるビール醸造所を見て、特産品で儲けようとひらめき、実行に移す感じのフレーバー。箱絵がダサかっこいいと思う。
ゲームとしてはデッキマネジメントを主軸とし、作者のフリーゼが得意とする手番順と市場原理を絡めて仕上げられたものとなっている。 デッキの部分は、手札を引いて使い、1枚残して他を好きな順序でデッキの底に戻すシステム。 値上がりする城をいつ建築するのがベストなのか。 建築しても勝利条件にしかならない城カードの存在により、いつ拡大再生産に満足して勝利点を加えていくのかというジレンマとお互い牽制しあう読み合いのあるゲームを作り上げている。ぶっちゃけドミニオンっぽい。 ドミニオンと違い、サプライの取り合いや直接的なアタックがない分少しソロプレイ感があるが、そこを市場と手番でまとめた手腕が見事である。 ボードゲームおっぱいでも述べられていたが、「俺のバカ!」という気持ちに自然となれる点が面白い。 デッキの並び順という不確定要素は前半は確かにランダムだが、終盤はプレイヤー自身の責任であると持っていったところが新鮮であった。
個人的に結果論と呼んでいる勝因のパターンがある。 その効果がどれほど強力かや、あらかじめどのような内容になるか(3択とか)備えておけば大丈夫なものもあるので一口にまとめるのも乱暴であるけれどもとにかく、ゲームが終わった時に各ラウンドの状況に対して最も有利な盤面で臨め続けた人が勝ったなと振返れるものは、そりゃ結果的にああしてればその後のラウンドでうまくまわったけどさぁ、ともやもやする。 決め打ちの作戦が結果的に一番マッチしたから勝てたのではないかと疑問が残るゲームである。
フリーゼの似たようなゲームでは電力会社が陣取り+市場+手番順+競り、ファクトリーマネージャーが市場+手番順となっていて、このビール侯爵も一連の流れにあるのだろう。 中核要素に共通してる部分が多いので、近い時間内にこれらをやるとまたか、という感覚になる。 選ぶときは確かなゲーマーズゲームをやりたいときは電力会社、比較的短時間でジレンマ密度の濃さを噛みしめるときはファクトリーマネージャー、フレーバーも楽しめそこまでガチガチなのは避けたいときにはビール侯爵をやればいいと思う。
あちこちで安くてに入りやすいので、一度プレイしてもらうといいのではないか。
by phys-can-tell
| 2014-09-08 19:00
| ボードゲーム
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