よく一緒にボードゲームをやる友人と議論になったのでまとめておく。
友人に新しく買ったボードゲームをやろうと誘うと、難色を示して「それよりカタン(カタンの開拓者たち)をやろう」と言われた。 私はカタンには既に自分の中で解が出ているため、そこまで進んでやろうとは思わないと言うと友人に「俺にはそんなに次々と新しいボードゲームに手を出す方がよくわからない」と言い返された。 そこからしばらく互いの意見を交換した結果、私と友人ではボードゲームの楽しみ方にはっきりとした差異があるとわかった。 ・私 ボードゲームには一つ一つ、勝つための道、解法がある。 解法は複数あるのかもしれないが、それら沿えば高確率で勝てるものである。 ボードゲームは皆で遊び、その中で解法を見つけることを楽しむものである。 TVゲームでは攻略wikiや2ch、プレイ動画を見て満足できる。 ・友人 解法があるということに異存はない。 解法は皆で共有されているべきものであり、それを見出すまではチュートリアル。 ボードゲームは全員が解法を知っている状態でプレイするのが真の姿であり、その前提のもと個々の技量や運、相互作用を楽しむものである。 TVゲームでは攻略wikiなどの内容は知っていて当然で、そこからが楽しい。 書いていて思ったが、たぶん一本のゲームや一箱のボードゲームを楽しみきれて、当然コストパフォーマンスもいいのは友人サイドだろう。 ボードゲームだけでなくポケモンや遊戯王、格闘ゲームなどのいわゆるガチ勢、大会を目指す人々も後者だろう。 だが、それでも単純に後者がすごいとは言いたくない。 自分語りになってしまうが、自分がTVゲームをやる原動力は「この先が知りたい」であった。 ストーリーしかり、新技しかり、自分の知らない世界をゲームはプレイすることで提供してくれる。 ラスボスは誰か、動機は何か、主人公は最後誰とくっつくのか、ハッピーエンドなのか。 ポケモンからゲームに入ったが、そこでの動機はこうである。 あのジムリーダーを倒せば新しい場所にいける。 そこではまだ知らないポケモンが出現し、知らないわざマシンが手にはいる。 最後の洞窟にはミューツーがいて、本当に仲間になるのだろうか疑問だ。 本当にいた!マスターボールで仲間になった! …ふぅ、満足した終わろう。 といった具合。 自分にとって勝てないジムリーダーや進めない謎解き、いちいち進行を阻害する草むらや洞窟のコラッタズバットは障害であり、最後へ至る道を長引かせるものだった。 当時口伝えで知った100法という一気にポケモンをレベル最大値へ持っていくバグ技を知ったとき、自分は迷わずパーティー全員をレベル100にしてミューツーまで突っ走った。 そんな記憶がある。 小中学生として友達の家にいったときにはTVゲームをする。 まわりで人気だったのはスマブラやマリオカートだったが、これらはやるよりも見ている方が好きだった。 やったとして、持ち主やたくさんやったことのある友達には絶対に勝てない。 それよりも絶妙なプレイや笑える落ち方を見ている方が好きだった。 これは家でも同じで、アクションゲームは弟がやりこんで勝てなくなってしまい、そうなると兄のプライドもあってあまりしなくなる。 唯一ゲームキューブのマリオカートダブルダッシュだけは、2人で操作して1人は後ろでアイテムを投げるのとミニターボを貯めるのに専念できるので、弟に運転させて自分も楽しめた。 転機となったのはファイアーエムブレムの蒼炎をやったときである。 これはRPGなのに、個々のステージをクリアする過程がパズルのようでまた、育てて愛着がわいたキャラクターが後半で無双できるのが非常に楽しかった。 ストーリーは1周すればわかったが、5週はやったように思う。 ファイアーエムブレムのようなシュミレーションRPGは、知る喜びの他にキャラクターを作って(自分のコントロールで成長させて)活躍させる楽しみ、苦労が快感に報われる喜びがあった。 これでシュミレーションゲームにはまり、ファイアーエムブレムの他には日本一ソフトウェアのファントムブレイブもかなりやった。 Gジェネもある程度やったが、結局ザクよりもガンダムのほうが強いというのが並大抵では覆せないとわかって落胆した。 ジムやザクを育てて、最後の方のステージでガンダムを打ち破る図を想像していたのである。 しかも序盤からさくさくクリアできてしまい、勝つことがただの先に進むための作業になっていた。 いろんなクソゲーにも遭遇し、こんなのをやるならネタバレなり小説を読んだほうがまし、という思いも多々感じた。 マルチメディアなものは一番売れた媒体がたぶんいちばん優れた出来というのが経験則だが、時間あたりの得られる情報量が一番多いのは間違いなく本であろう。 わざわざゲームをやる価値のあるゲームを探した。 もっているハードのシュミレーションゲームをひと通り試した後、PCゲームに手を出してみる。 シヴィライゼーション5も比較的やった方かつ現在もときどきやっているゲームではあるが、勝ちがほぼ決まったと確信してから実際に勝つまで長く、操作が辛いこともあり危惧していたほどははまらなかった。無双感よりも作業量の煩雑さが上回ったかっこうである。 ニコニコの動画から存在を知り、自分ででやるより東方やAAのキャラクターで物語を上乗せされたプレイ動画の方が興味を惹く。 どちらかというとiPhoneアプリでやったシヴィライゼーションレボリューションの方が、後半敵を叩きのめす図が明確で面白かったように感じる。 そしてやるゲームがない状態になり、「将棋などのボードゲームって、要するにシュミレーションだよね?」という発想のもとでボードゲームを買い始めた所存である。 対するに最初に出てきた友人は、知りうる断片的な経歴ではネットゲーマーであり、アクションゲームもある程度得意である。 一本のゲームをやりこんで、8割できる状態から如何にして現在遭遇している環境で10割へ近づけるかの世界で生きてきたのではないかと思う。 つまり、ゲーマーとしての格が違う上に価値観が違う。ということにしたい。 知りたい、あっと驚くプレイや勝ち方を知りたいという自分。 勝ちたい、みなと対等な条件の中で勝利を味わいたという友人。 そしてやはりどちらかが譲歩しないと一緒にゲームを長く楽しむには至れないと思った。 ※追記 ルールを変えずに、毎回違った勝ち筋が生成される系統のゲームはどちらのタイプも満足できるかもしれない。 ドミニオンとか。
by phys-can-tell
| 2013-07-31 18:27
| ボードゲーム
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