キノの旅 13

今回は少し前に話題になったわいせつ物規制問題(エロゲとかの規制を強化する法律の改正案が前の国会で議論されていた問題)やら、いわゆるネット右翼の人が批判する、某国の起源主張への皮肉など、インターネット関連の内容が多かった。
後書きは、位置は普通だったものの、ワンピースで言うSBSみたいに質問に作者が応えていく感じで、わりと謎な作家さんの生活が垣間見えて興味深かった。


「キノの旅」シリーズはおそらく、ライトノベルで最も売れているシリーズの一つだと思う。
自分も含め、ライトノベルという概念を知らずに読み始める人や、ヲタクカルチャーに嫌悪感を抱く人で読んでいる人も多い。

たぶんその理由は、直接的にしろ、間接的にしろ性描写が少ないからだと思う。
他のライトノベルでは、セックスシーンそのものは少ないが、表紙や挿絵に使われている萌え絵は、明らかに女の子の可愛さの類を狙ったものであり、セックスアピールそのものである。
主人公自体も中性的であり、内容も主人公が絡む恋愛話はほぼなく、全体的に淡々としている。
日本では性に対してまだオープンに語れる環境ではなく、タブー視する観念が根強い。
ほとんどの人がライトノベルに対して抵抗感を抱くのはその表紙であり、そこに一見して少年のような人物と、特に男性に人気の銃器やバイクの絵を持ってくるのは警戒感を持たせなくて素直に読書にまで持っていくことができるんだと思う。

流血関係の描写はわりと激しめだが、人が死ぬのはどんな映画やドラマでもやっているので慣れきっているからなのか、あまり問題にされない。

また、ある程度の年をとった人向けの内容とすることで「大人の童話」としてのニッチを埋めたのだと思う。
一話一話の流れは星真一のようなショートショートに非常に近い。
そこに、キャラクター要素を足して、神話の崩れたSF未来感を抜いた、そんな感じを受ける。

そういう意味で、一般的な日本人のニーズにあった作品なんだと思う。
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by phys-can-tell | 2009-10-16 09:36 | ライトノベル
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